Google初の謹製スマートウォッチ、「
Pixel Watch」が発売されました。
発売当初からすぐに品薄となりなかなか購入できませんでしたが、ようやく手に入れ使用することができましたので、基本スペックから実際に使用してわかったメリットデメリット含め紹介致します。
「Pixel Watch」の概要
公式ページによると、基本スペックは下記の通りとなっています。
項目 |
Google Pixel Watch |
ディスプレイ |
直径41mm
カスタム AMOLED ディスプレイ
Gorilla Glass 5 |
重さ |
36g(バンド除く) |
接続 |
4G LTEもしくはBluetooth |
OS |
Wear OS 3 |
対応OS |
Android 8.0以上 |
バッテリー |
294mAh |
FeliCa |
対応(2022年11月時点 Suicaのみ) |
防水 |
5 ATM |
カラー |
ゴールド / ブラック / シルバー |
価格 |
39,800円(Wi-Fi) / 47,800円(4G LTE) |
詳細 |
Google Pixel Watch公式 |
同梱物は、本体・替えバンド・マグネット式充電器・取扱説明書となっています。
私が購入したものはMatte Blackモデルですが、ステンレスボディで非常にスタイリッシュな見た目です。
画面右側部には竜頭、サイドボタン(アプリ切り替え/Googleアシスタント起動)を、
画面左側部にはスピーカーマイクを備えます。
本体の重さですが、公称値本体のみで36gでバンド込みだと62gです。
純正バンドは8段階で調整が可能なシリコンバンドで、バンド端は内側にしまい込むタイプのものです。
「Pixel Watch」のディスプレイ
良い点
Gorila Grassの有機EL(AMOLD)ディスプレイは4万円という価格相応にしっかり綺麗です。
スマートウォッチは腕に装着しており、常に目に見える位置にあるため質の良いディスプレイは見る度にテンションが上がるためQoLが上がりますね。
また、日中屋外でも視認性は良いと感じました。
野外で使用していて、見えにくいと感じたことは有りませんでした。画面輝度自動調整ONの設定で日中屋外に出た時の写真が上記です。
ウォッチフェイスについては、細かい点ですがカラーリングや文字盤の文字種類、複数のコンプリケーションが登録できるフェイスにては個別一つ一つを細かく設定できる点もよいです。
細かく設定できるのは良いですね。色味もビビッドなものからパステルカラーまで様々なカラーが用意されていて単純に選ぶのが楽しいです。
Google純正Wear OS 3を搭載し、操作も非常にキビキビしていて印象はよいです。
歩数表示もほぼラグがなく、万歩計のようにリアルタイム更新されます。
https://twitter.com/pineapple220121/status/1594361506514493440?s=20&t=IxuN37qCaqRXRjlCzu4hqQ
https://twitter.com/pineapple220121/status/1592694044513427456?s=20&t=gKa1SNtp54Oi6I-JPxuJoQ
気になった点
丸形のフェイスを採用したのに、ドロアが四角形ベース。
人によっては気にならないかもしれませんが、フェイスに丸形を採用したのであれば丸形に最適化したドロアにすべきだったのではないかと感じました。常に中途半端に角が消えており、洗練されていない印象を受けてしまいます。次期Pixel Watchでは、Apple Watchのようなバブルアイコンなど丸形フェイスに合わせたドロアを開発してほしいです。
ディスプレイに関してはベゼルだけ見れば割りと太めです。
通常使いでは殆ど気にならないので、特筆すべきマイナス点ではないですが境目が見えるときに「あれ?意外とベゼル太いな・・。」と思ってしまったのは事実です。
「Pixel Watch」の機能
良い点
GoogleHomeやGoogleアシスタントとの連携はシームレスでストレスレスです。
Googleエコシステムと言う意味ではこの点が一番他社スマートウォッチと差別化できる点だと考えます。やはりGoogle謹製スマートウォッチということも有り、サイドボタン長押しでGoogleアシスタントを呼び出すことができたり、Google Homeと連携し事前に登録した家電をPixel Watchから起動することができます。
ウォッチフェイスにサードパーティアプリが使用できる点もGoodです。
Apple Watchでのウォッチフェイスは純正のもの以外ストアからの配布に対応していません。
https://appleinsider.com/articles/21/10/26/no-plans-for-third-party-apple-watch-face-store-apple-executives-say
それに引き換えPixel Watchでは、Google Playからのサードパーティが提供するフェイスを使用することが可能です。まさにこの違いはiOSとAndroidと同じといったところですが、サードパーティでも便利なものがあれば活用できる拡張性の高さはPixel Watchの良さであると感じました。
Felicaに対応した点も大きな一歩。
Felicaに対応し、SuicaがPixel Watchから使用できるようになりました。ただ、残念な点もあるので後述します。とは言え、Felica搭載というのは大きな一歩というのは間違いありません。
気になった点
バッテリー持ちはイマイチ。
特別悪いというわけではありませんが、やはり1日1回の充電は必要といった感じ。特にAOD(Always On Display)機能をOnにすると更にバッテリーを消費するのでなかなか実用性に耐えるものでない印象です。AODなし、明るさ自動調整On、
画面消灯15秒で計測したものが下記です。
健康管理、ワークアウトに関してもPixel Watch本体の機能ではなくFitbit経由での管理となる。
スマートウォッチにおいて歩数管理や心拍数、ワークアウトの計測機能を外部(Fitbit)で実現というのはGoogleが謹製のスマートウォッチをリリースする際には解消しておいてほしかったと思いました。ウォッチの初期設定でも、Fitbit所掌の各機能については別途Fitbitアプリをインストールする必要があり、この点は煩雑でありスマートでないと言わざるを得ません。
Fitbitとは別にGoogleFitがありますが、現時点の機能だとFitbit経由でGoogleFitにデータを共有する機能はあれどPixel WatchとGoogleFitのみでは運用不可です。”Google”のスマートウォッチなのであれば、"Google"Fitがそのあたりは管理するのがスムーズかなと思いました。
とはいえ、FitbitはGoogle傘下のため実質Google内での区分けという形とはなりますが、ならばそもそもGoogleFitとはなんなのかというそもそもの疑問が生じます。次期Pixel Watchではこのあたりの交通整理を改めてしっかりしてほしいと感じます。
Felica対応だがSuica定期券、iD払い・QuickPayに未対応。
iD・QPは良いとしても定期券付きSuica不可と言うのはさすがにがっかりした方も多いのではないでしょうか。今後のアップデートに期待です。
LINE通話受電不可。
個人的にそこまでLINE通話を使う方ではないため気づきませんでしたが、ネットで発見して試してみると確かに通知すら来ないことがわかりました。終話後の不在通知自体は受信できますが、受電できないというのは致命的かもしれません。こちらもアップデートでの解消に期待です。
(※左のGarmin Instinctが受電していますが、右のPixel Watchは受電中反応しません。)
「Pixel Watch」の総評
【こんな人におすすめ】
Googleエコシステムで身の回りを統一している人・・くらいだと現時点では思います。
多くのユーザーにとっては、待ちで良いかと。これから世代を経るごとに進化してくれることを期待します。
まとめ
出典:Google Japan YouTube
見た目、質感については価格相応で十分に所有欲を満たしてくれるものだと思います。ただ、それ以上に"単純な機能面"については数千円で売っているウェアラブル端末と大差なく価格以上の価値をユーザーに訴求できていない印象を持ちました。
初代Apple Watchリリースから遅れること7年。遂にGoogleからも謹製スマートウォッチがリリースされたことは喜ばしいことです。
PixelWatch自体、ウェアラブルとして求められる機能は十分備わっていますしそれ単独として何ら問題ないと思いますが現時点では市場全体を見た時、
独自機能など特化ポイントが無いためあえてPixel Watchを購入する理由がないと感じます。今後は機能や特化したポイントで他製品と差別化するべきで、Googleサービスとの密な連携を推して今後の進化でスマートウォッチ市場のゲームチェンジャーになってくれることを期待しつつレビューと致します。
購入を検討している方の参考になりましたら幸いです。
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